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チーズに色があるのはなぜ?白・黄・オレンジの違いと着色の秘密をやさしく解説!

daichan

チーズ売り場で見かける、さまざまな色のチーズ。白っぽいもの、黄色、そして濃いオレンジ色のものまで…
「これって、色によって味も違うんじゃない?」「もしかして着色料?」と思ったことはありませんか?

実は、私も「色が濃いチーズの方が濃厚な味がする」と思い込んでいた一人です。
でも調べてみると、色と味は必ずしもイコールではないんです。

この記事では、チーズに色がつく理由を「自然な成分」「熟成」「着色料」の3つの観点からわかりやすく解説し、さらに自分で着色したチーズを作る方法までご紹介します!


チーズに色がつく3つの理由

1. 牛乳の成分による自然な色の違い

まず一つ目の理由は、原料となる牛乳の違いです。
牛の餌に含まれる「β-カロテン(ベータカロテン)」という色素成分が、ミルクの脂肪分に溶け込むことで、チーズの色味に影響します。

具体例:

  • 放牧牛(牧草を食べて育った牛)→ β-カロテンが多く、黄色味が強くなる
  • 山羊や羊のミルク → β-カロテンが分解されやすく、チーズは白っぽくなる

例えば、フェタチーズ(羊乳)やシェーブルチーズ(山羊乳)は真っ白に見えるのが特徴です。
一方で、放牧牛のミルクで作ったバターやチーズは、自然な黄色になります。

β-カロテンの含有量(参考値):

  • 牛乳(普通):約6μg/100g
  • プロセスチーズ:約130μg/100g
  • グラスフェッド由来チーズ(推定):200μg/100g以上のケースもあり

2. 熟成による色の変化

チーズは熟成が進むと色が濃くなることがあります。

熟成によって水分が抜けたり、たんぱく質や脂肪が分解されたりするため、見た目の色が変化するのです。

例:

  • 若いチェダーチーズ → 白っぽくマイルド
  • 熟成チェダーチーズ → 濃い黄色~オレンジっぽくなり、コクが増す

また、ミモレットのように熟成とともに外皮がオレンジになっていくチーズもあります。


3. 天然着色料(アナトー)を使っている場合も

特にアメリカやイギリスでよく見かけるオレンジ色のチェダーチーズなどでは、実は**「アナトー」という天然着色料**が使われていることがあります。

アナトーとは?

  • ベニノキの種子から抽出された、赤~オレンジ系の天然色素
  • 脂溶性で、チーズやバターの色調整に使われる
  • 安全性が高く、食品添加物としても認可されている

なぜ使われるの?

  • 季節や餌の違いでミルクの色が変わるため、見た目を統一する目的
  • 熟成具合を視覚的にわかりやすくするため
  • 「オレンジ=濃厚で美味しそう」という印象を与える効果も

※アナトーを使っているチーズでも、味や栄養には影響がないことが多いです。


色が違えば味も違う?意外な真実

私自身もそうでしたが、「チーズの色が濃い=味が濃い」と思っていませんでしたか?

確かに、熟成が進んで色が濃くなったチーズは味にも深みが出ますが、色が濃い=必ずしも味が濃いとは限りません。

たとえば、アナトーでオレンジ色にしたチェダーチーズは、見た目は濃厚でも、味はマイルドということもあります。

味を決めるのは、原料、製法、熟成期間、菌の種類など。
見た目に惑わされず、ぜひ実際に食べて確かめてみてください!


実験!自分でチーズに着色料を加えてみよう

「それなら、自分でも色を変えられるの?」
答えはYES!

家庭でも、チーズを溶かして着色料を加えれば、自作カラーチーズが楽しめます。

材料

  • とろけるチーズ(シュレッドやスライスチーズ)
  • 牛乳または生クリーム(少量)
  • 食品用着色料(以下のいずれか)
着色料特徴
アナトー最もチェダーに近い色に。脂溶性で鮮やか。
ターメリック(ウコン)鮮やかな黄色だが、香り強め。入れすぎ注意。
パプリカパウダー赤みのあるオレンジ。甘く香ばしい風味。
かぼちゃパウダーやさしい黄色。お子様向けにもおすすめ。

作り方

  1. 小鍋にチーズを入れ、弱火でゆっくり溶かす
  2. 牛乳や生クリームでなめらかさを調整
  3. 着色料をごく少量ずつ加えて色を整える
  4. 好みの色になったら完成!

※冷ますと再び固まるので、使う直前に作るのがおすすめです。


こんなときに使える!カラーチーズのアイデア

  • お子様との食育に! 色が変わると興味が湧く
  • イベント料理に! ハロウィンや誕生日の演出にぴったり
  • ディップやグラタン、トーストにも応用可能

まとめ

チーズの色が違う理由は、大きく分けて以下の3つ。

原因内容
牛乳の違いβ-カロテンの含有量が影響
熟成の影響時間とともに色が濃くなる
着色料の使用アナトーなどの天然色素による調整

色の違いはチーズの個性のひとつ。でも、「色=味」ではありません。
自分で色を変える体験を通じて、もっとチーズを楽しく、美味しく味わってみてください!

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年間1000Lの牛乳を消費している牛乳大好き家族の主。牛乳好きを増やす、牛乳嫌いを減らす、牛乳の有用性を広く伝える事を目的として活動中。
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