歴史

なぜ牛乳は給食の定番になったのか?

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給食といえば、ご飯やパンと一緒に牛乳がセットになっている光景が当たり前のように思えます。しかし、なぜ牛乳が給食に組み込まれたのでしょうか?本記事では、牛乳が給食の定番となった背景や理由を詳しく解説していきます。


給食に牛乳が導入された歴史

戦後の栄養改善政策

牛乳が給食に導入された大きな理由の一つは、戦後の栄養不足を解消するためです。第二次世界大戦後の日本では、食糧難により国民全体の栄養状態が悪化していました。特に、成長期の子どもたちの栄養不足が深刻な問題となっていました。

この状況を改善するため、日本政府は学校給食制度を整備し、子どもたちに栄養バランスの取れた食事を提供することを目指しました。その中で、カルシウムやタンパク質を豊富に含む牛乳が理想的な栄養源として注目されました。

アメリカの影響

戦後、日本の給食制度はアメリカの影響を強く受けています。GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の指導のもと、日本の学校給食にはアメリカから供給された脱脂粉乳が導入されました。これは、アメリカで余剰となっていた脱脂粉乳を有効活用する目的もありました。

当初、子どもたちには馴染みのない味であったため、脱脂粉乳の給食はあまり人気がありませんでした。しかし、その後、日本国内の酪農業が発展し、新鮮な牛乳が提供できるようになったことで、学校給食の飲み物として定着していきました。

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牛乳が給食に採用された理由

① 栄養価が高い

牛乳にはカルシウム、タンパク質、ビタミンB2、ビタミンDなどの栄養素が豊富に含まれています。特に、成長期の子どもにとって重要なカルシウムを効率よく摂取できることが、学校給食に採用された大きな理由の一つです。

また、タンパク質は筋肉や臓器の発達に不可欠であり、ビタミンB2はエネルギー代謝を助け、成長を促進します。これらの栄養素をバランスよく含む牛乳は、学校給食に最適な食品だったのです。

② 保存や提供がしやすい

学校給食において、食材の保存性や提供のしやすさは非常に重要です。牛乳は瓶や紙パックで個別に提供できるため、給食の現場で扱いやすいというメリットがあります。また、牛乳は低温殺菌処理が可能で、衛生的に安全に提供できる飲み物としても評価されました。

③ 咀嚼力が未発達な子どもでも飲める

小学生の中には、歯が生え変わる途中で硬いものが食べづらい子どももいます。そのため、噛む必要がなく、手軽に飲める牛乳は、栄養補給に適した食品とされました。


牛乳とパンの組み合わせが主流になった理由

① 米不足とパンの普及

戦後の日本では、米の供給が不安定だったため、アメリカから小麦の援助を受けてパンが普及しました。パン食と一緒に飲む飲み物として、カルシウム補給ができる牛乳がセットになったのです。

② ご飯との相性問題

現在では「給食の牛乳とご飯の組み合わせが合わない」と感じる人も多いですが、これは昔から議論されている問題です。しかし、栄養バランスを考えると、牛乳の代わりになる飲み物が少ないため、現在でも多くの学校で提供されています。

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現在の学校給食における牛乳の役割

① 骨の成長を助ける

現在の子どもたちも、成長期に十分なカルシウムを摂ることが求められています。特に、骨密度がピークを迎える20代までにしっかりとカルシウムを摂取することが大切です。そのため、牛乳は給食の重要な栄養源として提供され続けています。

② 健康的な生活習慣の形成

学校給食で牛乳を飲む習慣をつけることで、将来的に牛乳を日常的に摂取する習慣を身につけることができます。牛乳には骨粗しょう症の予防筋肉の維持といった健康維持のメリットもあるため、小さい頃からの飲用習慣が推奨されています。

③ 食育の一環

牛乳を飲むことは、日本の酪農業を支えることにもつながります。給食を通じて、**食べ物の大切さや生産者への感謝を学ぶ「食育」**の一環としても、牛乳は重要な役割を果たしています。


近年の牛乳離れと給食の課題

① 牛乳離れの傾向

近年、「牛乳は飲まないほうがいい」「牛乳は体に悪い」といった誤解が広まり、牛乳離れが進んでいるとも言われています。しかし、牛乳は適量を摂取することで健康をサポートする優れた食品です。特に、給食で提供される200mlの牛乳は、1日に必要なカルシウムの約30%を補えるため、重要な役割を果たしています。

② 給食における代替案

牛乳を飲まない子どもも増えているため、学校によっては牛乳の代替品(豆乳やカルシウム強化飲料)を導入するケースもあります。しかし、栄養バランスやコストの面から、依然として牛乳が主流となっています。


まとめ

牛乳が給食に導入された背景には、戦後の栄養不足を解消するための政策、アメリカの影響、そして牛乳の優れた栄養価がありました。また、牛乳は保存性が高く、提供しやすい点でも学校給食に適した飲み物です。

近年は牛乳離れの傾向もありますが、成長期の子どもにとって重要な栄養源であることは変わりません。学校給食を通じて、牛乳の価値を再認識し、将来の健康維持につなげていくことが大切です。

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年間1000Lの牛乳を消費している牛乳大好き家族の主。牛乳好きを増やす、牛乳嫌いを減らす、牛乳の有用性を広く伝える事を目的として活動中。
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