知識帖

乳糖とは?なぜお腹がゴロゴロするのか?徹底解説

daichan

乳糖(ラクトース)とは?

牛乳をはじめとする乳製品には「乳糖(ラクトース)」という糖分が含まれています。乳糖はブドウ糖(グルコース)とガラクトースが結合した二糖類で、甘みは砂糖よりも控えめです。

乳糖は体内で「ラクターゼ」という酵素によって分解され、小腸で吸収されることでエネルギー源になります。しかし、ラクターゼの分泌量には個人差があり、十分に分解できないと腸内で未消化の乳糖が発酵し、お腹がゴロゴロする原因になります。

なぜ乳糖が原因でお腹がゴロゴロするのか?

牛乳を飲んだ後に「お腹がゴロゴロする」「お腹が痛くなる」「下痢をする」といった症状が出ることがあります。これは「乳糖不耐症」と呼ばれる状態で、乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が不足していることが主な原因です。

乳糖が分解されずに小腸を通過すると、大腸で腸内細菌によって発酵され、ガス(主に水素、二酸化炭素、メタン)が発生します。このガスが腸を刺激して、お腹の膨張感やゴロゴロとした音を引き起こすのです。

また、乳糖は腸内に水分を引き寄せる性質があるため、浸透圧の影響で水分が腸内に留まりやすくなり、下痢の原因にもなります。

乳糖不耐症の種類

乳糖不耐症には主に以下の3種類があります。

1. 一次性乳糖不耐症(成人型乳糖不耐症)

成長とともにラクターゼの分泌量が減少し、成人になると乳糖を消化しにくくなるタイプです。特にアジア人はこのタイプが多く、日本人の約8割が乳糖不耐症の傾向があるとされています。

2. 二次性乳糖不耐症

腸の炎症や感染症、腸疾患(セリアック病、クローン病など)が原因で、一時的にラクターゼの分泌量が低下するタイプです。腸の健康が回復すると、乳糖の消化能力も戻ることがあります。

3. 先天性乳糖不耐症

非常にまれな遺伝性の疾患で、生まれつきラクターゼを作る能力がない状態です。新生児期から乳糖を消化できないため、完全に乳糖を除去した食事管理が必要になります。

乳糖不耐症の人が牛乳を飲む方法

乳糖不耐症の人でも、工夫次第で牛乳を楽しむことができます。

1. 乳糖を含まないミルクを選ぶ

最近では、「乳糖不使用(Lactose-Free)」の牛乳が販売されています。通常の牛乳にラクターゼを加えて乳糖を分解したものなので、お腹がゴロゴロする心配がありません。

2. 発酵乳製品を試す

ヨーグルトやチーズは、乳酸菌によって乳糖が部分的に分解されているため、牛乳よりも消化しやすいです。特に、長時間発酵させたヨーグルトは乳糖が少なく、お腹に優しいです。

3. 少量ずつ試す

一度にたくさん飲むと症状が出やすくなります。まずは少量(50ml程度)から試し、徐々に量を増やすことで体が慣れる場合もあります。

4. 食事と一緒に飲む

空腹時に牛乳を飲むと乳糖が急速に腸に到達し、症状が出やすくなります。食事と一緒に摂ることで、消化のスピードが緩やかになり、負担が軽減されます。

まとめ

乳糖は牛乳に含まれる自然な糖分で、エネルギー源として重要な役割を持ちます。しかし、乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が不足すると、腸内で未消化のままとなり、お腹がゴロゴロする原因になります。

乳糖不耐症にはいくつかの種類があり、多くの日本人が成人型乳糖不耐症の傾向を持っていますが、乳糖不使用の牛乳や発酵乳製品を活用することで、牛乳を楽しむことは可能です。

「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするから…」と避けていた方も、適切な飲み方を試しながら、牛乳の美味しさと栄養を取り入れてみてはいかがでしょうか?

ABOUT ME
milk guide
milk guide
年間1000Lの牛乳を消費している牛乳大好き家族の主。牛乳好きを増やす、牛乳嫌いを減らす、牛乳の有用性を広く伝える事を目的として活動中。
記事URLをコピーしました