アイスの原料の脱脂濃縮乳とは？その特徴と利用方法を徹底解説

牛乳を使った製品の中で、「脱脂濃縮乳」を見かけることがあります。特にアイスクリームやスイーツの原材料としてよく使われるこの成分、実際にはどのようなものなのか、どのように利用されるのか、詳しく知っている人は少ないかもしれません。

この記事では、「脱脂濃縮乳」がどんな食品成分なのか、その特徴、製造過程、そして私たちの食生活にどのように利用されているのかについて深掘りしていきます。脱脂濃縮乳について理解を深め、さらにその美味しさや便利さを再確認してみましょう。

脱脂濃縮乳とは？

脱脂濃縮乳とは、文字通り「脱脂」と「濃縮」のプロセスを経た牛乳です。具体的には、牛乳から脂肪分を取り除いた後、残った液体部分を濃縮することで、栄養価の高い牛乳成分を凝縮させたものです。

1. 脱脂（脂肪分を取り除く）

脱脂の工程では、牛乳から脂肪分（乳脂肪）を取り除きます。乳脂肪の含有量が高いと、味がクリーミーで濃厚になりますが、脂肪分が気になる方や製品に低カロリーを求める場合には、脱脂が重要な工程となります。

この脱脂の方法には、遠心分離器を使用することが多いです。遠心分離器を使うことで、牛乳内の脂肪分を分離し、スキムミルク（脱脂乳）を得ることができます。脱脂後の牛乳は、一般的な牛乳に比べて脂肪分がほとんど含まれていません。

2. 濃縮（液体を蒸発させて濃度を高める）

濃縮の工程では、脱脂した牛乳の水分を減らし、乳成分を濃縮させます。これによって、牛乳の栄養素や成分が凝縮され、風味もより強くなります。濃縮の過程は、加熱または真空を使用して水分を蒸発させることによって行われます。

濃縮した後は、濃縮乳が濃縮度や使用用途に応じて、さらに調整されることがあります。これにより、製品の風味やテクスチャーが改善され、使い勝手も向上します。

3. そのまま飲むことは少ない

脱脂濃縮乳は、そのまま飲むことはあまりありません。一般的には、アイスクリーム、ヨーグルト、チョコレート、スープ、乳製品を作る際の原材料として使用されます。また、粉末状に加工されることもあります。

脱脂濃縮乳の特徴

脱脂濃縮乳には、いくつかの特徴があります。それが他の乳製品との違いを生み出し、料理やお菓子作りにおいて便利な存在となっています。

1. 低脂肪で高栄養

脱脂濃縮乳の最大の特徴は、脂肪分がほとんど含まれていない一方で、牛乳本来の栄養素（カルシウムやタンパク質など）はしっかりと残っている点です。これにより、脂肪を抑えつつ、牛乳の栄養を効率的に摂取できるという利点があります。

2. 風味が凝縮される

脱脂濃縮乳は、乳成分が凝縮されることにより、通常の牛乳よりも風味が強くなります。濃厚な味わいがあり、アイスクリームやスイーツなどで使用すると、その味わいが引き立ちます。

3. 長期間保存できる

脱脂濃縮乳は、濃縮過程で水分が取り除かれているため、保存性が高くなります。通常の牛乳は賞味期限が比較的短いですが、脱脂濃縮乳は長期間保存できるため、輸送や保存の面でも非常に便利です。

4. 食品のテクスチャーを改善

製品に使用することで、滑らかでクリーミーな食感を実現することができます。アイスクリームや乳製品のなめらかさや口当たりの良さを増すため、非常に重宝されています。

脱脂濃縮乳の利用方法

脱脂濃縮乳は、様々な製品に利用されることが多いです。その使用例を見ていきましょう。

1. アイスクリームやスイーツ

脱脂濃縮乳は、アイスクリームやヨーグルト、チョコレート、プリンなどのスイーツに使用されます。これにより、低脂肪でありながら濃厚な味わいが得られ、クリーミーな食感が生まれます。

特にアイスクリームでは、脂肪分が少ないが濃厚な味を求める製品に最適です。脂肪分を抑えたアイスクリームや、ダイエット向けのスイーツでも多く使われています。

2. 乳製品

脱脂濃縮乳は、粉ミルクや牛乳を使ったスプレッド、チーズ製品にも利用されます。特に、加工された乳製品においては、脂肪分の調整と味の強化のために使われます。

3. 加工食品

スープやソース、飲料などにも使用されます。加工食品では、コクを出すためや、食感を調整するために使用されることが多いです。濃厚でありながら脂肪分が少ないので、さっぱりとした食感に仕上がり、バランスの良い味わいになります。

4. 栄養補助食品

脱脂濃縮乳は、栄養補助食品にも使用されることがあります。牛乳の栄養素を濃縮しているため、カルシウムやタンパク質を効率よく摂取できるのが特徴です。ダイエット中でも栄養を補給したい場合や、運動後の回復食品としても利用されます。

脱脂濃縮乳と他の乳製品との違い

脱脂濃縮乳は、他の乳製品とはどのように違うのでしょうか？主要な乳製品と比較してみましょう。

1. 脱脂乳（スキムミルク）との違い

脱脂乳（スキムミルク）は、牛乳から脂肪分を取り除いたもので、脱脂濃縮乳も同じく脂肪分が取り除かれていますが、濃縮されているため、栄養成分がより凝縮されています。脱脂乳はそのまま飲むことができる一方、脱脂濃縮乳は主に加熱や加工の過程を経て使用されます。

2. コンデンスミルクとの違い

コンデンスミルクは、砂糖を加えた濃縮牛乳です。砂糖が加わっているため、甘みが強く、デザートや飲料に多く使用されます。一方、脱脂濃縮乳は砂糖を加えず、あくまで牛乳本来の成分を凝縮させた製品です。

まとめ

脱脂濃縮乳は、牛乳から脂肪分を取り除いた後に濃縮された栄養価の高い乳製品で、アイスクリームやヨーグルト、スイーツ、さらには料理にも多く利用されています。その特徴的な低脂肪でありながら濃厚な風味、保存性の高さ、栄養価の維持など、食品業界で重宝される理由がよくわかります。

今後、ダイエットや健康に配慮した製品が増える中で、脱脂濃縮乳の需要はますます高まっていくでしょう。普段の食生活にも、ぜひその便利さを取り入れてみてください。

milk guide

XInstagram

年間1000Lの牛乳を消費している牛乳大好き家族の主。牛乳好きを増やす、牛乳嫌いを減らす、牛乳の有用性を広く伝える事を目的として活動中。