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日本と海外で違う「牛乳の賞味期限」──なぜこんなに差があるのか?

daichan

牛乳の賞味期限が国によって大きく異なることをご存じでしょうか?
日本では、一般的な牛乳の賞味期限は製造から約7〜10日ほどですが、アメリカやヨーロッパのスーパーでは1ヶ月以上持つ牛乳が売られていることも珍しくありません。

なぜ、同じ「牛乳」なのにここまで賞味期限が違うのでしょうか?
今回は、日本と海外の牛乳の賞味期限の違い、その理由、そして安全においしく牛乳を飲むためのポイントについて解説します。


日本と海外の牛乳の賞味期限の違い

日本の牛乳の賞味期限

日本の牛乳の多くは、「要冷蔵」で7〜10日程度の賞味期限が設定されています。
一部の牛乳(低温殺菌牛乳など)は5日程度とさらに短いものもあります。

また、日本では「賞味期限」とはおいしく飲める期限を示し、「消費期限」は安全に食べられる期限を示します。牛乳には「賞味期限」が設定されており、期限を過ぎてもすぐに腐るわけではありませんが、風味が劣化する可能性があります。

海外の牛乳の賞味期限

一方、アメリカやヨーロッパのスーパーでは、1ヶ月以上持つ牛乳が売られていることがよくあります。
特に常温保存可能な「ロングライフミルク(UHT牛乳)」は3〜6ヶ月も保存可能です。

たとえば、アメリカのスーパーで売られている一般的な牛乳は、日本の牛乳と同じく要冷蔵で10〜21日ほどの賞味期限が設定されています。しかし、学校給食やカフェで使われる牛乳には、1ヶ月以上の賞味期限があるものも多いです。

では、なぜ日本と海外ではこれほど賞味期限に違いがあるのでしょうか?


牛乳の賞味期限が異なる理由

① 殺菌方法の違い

牛乳の賞味期限の違いの最大の理由は「殺菌方法」の違いにあります。

日本では、ほとんどの牛乳が**「超高温瞬間殺菌(UHT:Ultra-High Temperature)」ではなく「高温短時間殺菌(HTST:High-Temperature Short-Time)」を採用**しています。

一方、海外では「UHT殺菌」が一般的で、これにより牛乳の賞味期限が大幅に延びています。

殺菌方法温度と時間特徴賞味期限
低温長時間殺菌(LTLT)62〜65℃で30分風味を保ちやすいが賞味期限は短い5〜7日
高温短時間殺菌(HTST)72〜75℃で15秒日本の一般的な牛乳7〜10日
超高温瞬間殺菌(UHT)135〜150℃で2〜5秒海外のロングライフミルク1〜6ヶ月

日本の牛乳は新鮮さや風味を重視する傾向が強く、高温短時間殺菌(HTST)が主流です。
一方、海外では保存性を優先し、超高温瞬間殺菌(UHT)を採用するケースが多いのです。


② 容器の違い

牛乳の賞味期限に影響を与えるのが「容器」です。

日本の牛乳は紙パックが主流ですが、海外では**無菌充填が可能なプラスチックボトルや特殊な紙パック(テトラパック)**が使われることが多いです。
無菌状態でパッキングされるため、牛乳の品質が長持ちしやすくなります。


③ 冷蔵流通の違い

日本の牛乳は常に冷蔵保存するのが前提ですが、海外では常温保存できる牛乳が多く流通しています。

例えば、ヨーロッパでは冷蔵しなくても長期間保存できる牛乳が主流で、スーパーの棚に牛乳が冷蔵ではなく常温で陳列されていることもあります。
これは、UHT殺菌+無菌充填された牛乳だからこそ可能なのです。


④ 食文化の違い

日本は**「新鮮な食品」を好む文化**が強く、牛乳も新鮮な状態で飲むことを重視しています。
そのため、賞味期限が短い牛乳でも頻繁に購入し、消費することが一般的です。

一方、海外ではまとめ買いする習慣があり、長期保存が可能な牛乳のニーズが高いのです。


日本でも賞味期限の長い牛乳は買える?

実は、日本でも海外と同じく賞味期限が長い牛乳を購入することができます。

長持ちする牛乳の種類

  1. UHT牛乳(超高温殺菌牛乳):賞味期限2〜3ヶ月
  2. ロングライフ牛乳(常温保存可能):賞味期限3〜6ヶ月

スーパーではあまり見かけませんが、ネット通販や一部の店舗で購入できます。
例えば、非常用の備蓄牛乳としても人気があります。


牛乳をおいしく安全に飲むためのポイント

① 賞味期限切れの牛乳は飲める?

牛乳の賞味期限は**「おいしく飲める期限」**なので、期限を過ぎてもすぐに飲めなくなるわけではありません。
しかし、開封後は3日以内に飲むのが基本です。
においや味に異常があれば、迷わず処分しましょう。


② 賞味期限を延ばす保存方法

  • 開封後は必ず冷蔵庫(10℃以下)で保存
  • 飲むたびにキャップや注ぎ口を清潔に保つ
  • 牛乳を直接口をつけて飲まない(雑菌が入りやすい)
  • 冷蔵庫のドアポケットより、奥で保存(温度変化が少ない)

まとめ

日本と海外で牛乳の賞味期限が違う理由は、

  • 殺菌方法の違い(HTST vs UHT)
  • 容器の違い
  • 冷蔵流通の違い
  • 食文化の違い

にあります。

日本の牛乳は「新鮮さ重視」、海外の牛乳は「保存性重視」という特徴があるのです。

もし、日本でも長持ちする牛乳が欲しい場合はUHT牛乳やロングライフ牛乳を探してみるのもおすすめです!

牛乳をおいしく、そして安全に楽しみましょう!

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年間1000Lの牛乳を消費している牛乳大好き家族の主。牛乳好きを増やす、牛乳嫌いを減らす、牛乳の有用性を広く伝える事を目的として活動中。
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