牛乳の牛、どんな種類がいるの? 〜乳牛の品種と特徴を知ろう〜

牛乳を飲むのは好きだけど、そもそもどんな牛から絞られているのか知っていますか? 実は、乳牛にはさまざまな種類があり、品種によって牛乳の味や成分に違いがあるんです。この記事では、牛乳の牛について詳しく知りたい人のために、乳牛の代表的な品種や特徴、味の違いについて解説します。
日本で一般的な乳牛の品種
1. ホルスタイン種(Holstein)
ホルスタイン種は、白地に黒の斑点模様が特徴的な牛で、日本の酪農で最も多く飼育されています。スーパーやコンビニで売られている牛乳のほとんどは、このホルスタイン種の牛乳です。
特徴
• 体が大きく、成牛は600~700kgほどにもなる
• 1日30リットル以上の牛乳を出すことができる
• 乳脂肪分は約3.5%で、比較的さっぱりした味わい
ホルスタイン種の牛乳は生産量が多いため、価格も比較的安価です。クセが少なく飲みやすいので、多くの人が親しんでいる味と言えるでしょう。
2. ジャージー種(Jersey)
ジャージー種は、茶色い毛並みが特徴の乳牛です。日本ではそれほど多く飼育されていませんが、牛乳好きの間では「濃厚でおいしい」と人気があります。
特徴
• ホルスタインよりも小柄で、成牛の体重は400~500kgほど
• 乳脂肪分が高く(4.5%〜5%)、濃厚でコクのある牛乳を出す
• 乳量はホルスタインより少なく、1日20リットル前後
ジャージー牛の牛乳は、クリーミーでコクがあり、ミルク感が強いのが特徴です。そのため、カフェオレやミルクティーにすると一層おいしく楽しめます。
3. ガンジー種(Guernsey)
ガンジー種は、ホルスタインやジャージーと比べるとかなり希少な品種ですが、一部の牧場で飼育されており、濃厚な牛乳を生産しています。
特徴
• 体色は茶色と白の斑模様
• 乳脂肪分は4.5%以上で、ジャージー種に匹敵する濃厚さ
• βカロテンを多く含み、牛乳に黄色みがかかる
ガンジー牛の牛乳は、まろやかで甘みがあり、一般的な牛乳よりもリッチな味わい。チーズやバターの原料としても優れています。
4. ブラウンスイス種(Brown Swiss)
ブラウンスイスは、スイス原産の乳牛で、標高の高い地域でも飼育しやすいのが特徴です。日本ではそれほどメジャーではありませんが、一部の牧場で牛乳を生産しています。
特徴
• 体色はグレーがかった茶色
• 乳脂肪分は3.8%前後で、ホルスタインとジャージーの中間くらいの濃さ
• 乳タンパク質が多く、チーズ作りに適している
ブラウンスイスの牛乳は、ほどよいコクとクリーミーさがありながらも、後味はすっきりしているのが特徴です。
乳牛の品種による牛乳の違い
乳牛の品種によって、牛乳の味や成分に違いが出るのは、主に「乳脂肪分」と「タンパク質」の含有量が異なるためです。
乳牛の品種 乳脂肪分 タンパク質 味の特徴
ホルスタイン 約3.5% 約3.2% さっぱりしてクセがない
ジャージー 約5.0% 約3.8% 濃厚でコクがある
ガンジー 約4.5% 約3.7% 甘みが強くリッチな味わい
ブラウンスイス 約3.8% 約3.5% ほどよいコクとすっきりした後味
濃厚な牛乳が好きな人はジャージー種やガンジー種の牛乳を試してみるとよいでしょう。逆に、すっきりした飲み口が好みなら、ホルスタインの牛乳が向いています。
乳牛の育て方で変わる牛乳の味
同じ品種の乳牛でも、育てられた環境やエサによって牛乳の味は変わります。例えば、放牧されている牛のミルクは、青草を多く食べるため、香りが豊かで甘みが増す傾向があります。一方で、穀物中心の飼料を与えられている牛のミルクは、クセが少なく安定した味になります。
また、殺菌方法によっても風味が変わります。特に**低温長時間殺菌(LTLT)**の牛乳は、加熱による風味の変化が少なく、牛乳本来の味を楽しむことができます。
まとめ
牛乳はどの牛から搾られているかによって、味わいや成分が変わります。
• 日本の牛乳のほとんどはホルスタイン種から搾られたもの
• ジャージー種やガンジー種の牛乳は、乳脂肪分が高く、濃厚でコクがある
• 育て方やエサ、殺菌方法によっても牛乳の味が変わる
普段何気なく飲んでいる牛乳も、乳牛の品種に注目してみると、新たな発見があるかもしれません。ぜひ、いろいろな種類の牛乳を飲み比べて、自分のお気に入りを見つけてみてください!