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牛乳はなぜ殺菌しなくてはいけないのか? 安全でおいしい牛乳を飲むために

daichan

牛乳は私たちの食生活に欠かせない存在ですが、店頭に並んでいる牛乳はすべて「殺菌」されています。なぜ牛乳は殺菌しなくてはいけないのでしょうか? その理由を理解することで、牛乳の安全性や品質に対する認識が深まり、より安心して牛乳を楽しめるようになります。

本記事では、牛乳を殺菌する理由やそのメリット、具体的な殺菌方法について詳しく解説します。

なぜ牛乳を殺菌する必要があるのか?

牛乳は栄養豊富で細菌が増殖しやすい

牛乳は、カルシウムやタンパク質、ビタミンなど多くの栄養素を含む食品です。しかし、その豊富な栄養価ゆえに細菌が増殖しやすいという特徴もあります。牛から搾りたての生乳(せいにゅう)は、すでにさまざまな微生物が含まれており、そのまま放置すると急速に菌が増え、腐敗が進んでしまいます。

人体に有害な病原菌を取り除くため

搾乳時には、牛の乳頭や乳房、搾乳機などの設備、さらには空気中から細菌が混入することがあります。その中には、食中毒を引き起こす危険な病原菌も含まれる可能性があります。

代表的なものとして、以下のような細菌が挙げられます。

• サルモネラ菌:食中毒の原因となり、発熱や下痢を引き起こす

• 大腸菌 O157:重篤な腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす

• リステリア菌:免疫力の低い人や妊婦が感染すると重篤な症状を引き起こす

こうした細菌を取り除き、牛乳を安全に飲めるようにするために、殺菌処理が必要なのです。

長持ちさせるため

生乳は、低温で保存しても数日で劣化してしまいます。しかし、適切な殺菌を行うことで消費期限を延ばし、より多くの人に安全に届けることが可能になります。

牛乳の殺菌方法とその特徴

牛乳の殺菌には、いくつかの方法があります。それぞれの特徴を見てみましょう。

超高温殺菌(UHT:Ultra High Temperature)

• 温度:130〜150℃

• 時間:2〜3秒

超高温殺菌(UHT)は、牛乳を非常に高温で一瞬だけ加熱する方法です。この方法では、ほぼすべての細菌を死滅させることができるため、常温保存が可能な「ロングライフ牛乳」に用いられます。

ただし、高温で処理するために一部の風味が変わることがあり、新鮮な風味を求める人にはやや不向きとされることもあります。

高温短時間殺菌(HTST:High Temperature Short Time)

• 温度:72〜75℃

• 時間:15秒

高温短時間殺菌(HTST)は、牛乳の風味を損なわずに殺菌する方法として最も一般的に使われています。スーパーで売られている多くの牛乳が、この方法で処理されています。

メリット

• 病原菌をしっかり殺菌できる

• 牛乳の風味を比較的保つことができる

デメリット

• 消費期限が短く、冷蔵保存が必要

低温長時間殺菌(LTLT:Low Temperature Long Time)

• 温度:63〜65℃

• 時間:30分

この方法は、最も古くから行われている伝統的な殺菌方法です。低温でじっくり加熱することで、牛乳本来の風味が最も残りやすいとされています。

メリット

• 風味が良く、コクのある味わいが楽しめる

デメリット

• 他の方法と比べると、殺菌効果がやや弱く、消費期限も短い

この方法で殺菌された牛乳は、「パスチャライズド牛乳」と呼ばれ、こだわりの牛乳を扱うメーカーでよく採用されています。

生乳のままでは飲めないのか?

「殺菌しない生乳を飲んでみたい!」と思う人もいるかもしれません。しかし、日本では市販の牛乳はすべて殺菌が義務付けられています。

一部の酪農家では、生乳をそのまま飲める「搾りたて牛乳」を提供することもありますが、これは厳格な衛生管理が求められるため、一般的には販売されていません。

なお、海外では「生乳(ローミルク)」が販売されている地域もありますが、細菌感染のリスクがあるため、日本では推奨されていません。

まとめ:安全でおいしい牛乳を楽しもう

牛乳を安全に、そしておいしく飲むためには、適切な殺菌が不可欠です。殺菌することで、食中毒のリスクを防ぎ、保存性を高めることができます。

また、殺菌方法によって風味や保存期間が異なるため、自分に合った牛乳を選ぶことも大切です。

もし「より牛乳本来の風味を楽しみたい」と思ったら、低温長時間殺菌(LTLT)の牛乳を選ぶのがおすすめです。逆に、長期保存を重視するならUHT牛乳が向いています。

牛乳の殺菌方法を知ることで、より安全で美味しい牛乳を選ぶ参考になれば嬉しいです。あなたも、自分にぴったりの牛乳を見つけて、もっと牛乳を楽しんでみませんか?

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milk guide
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年間1000Lの牛乳を消費している牛乳大好き家族の主。牛乳好きを増やす、牛乳嫌いを減らす、牛乳の有用性を広く伝える事を目的として活動中。
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