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牛乳の色はなぜ白いのか?その理由をわかりやすく解説

daichan

牛乳をグラスに注いだとき、真っ白な液体が広がるのを見たことがあるでしょう。しかし、牛乳がなぜ白いのか考えたことはありますか?水は透明なのに、牛乳は白く見える。その理由を科学的に解説しつつ、牛乳の魅力を改めてお伝えしていきます。

牛乳の成分とは?なぜ白く見えるのか?

牛乳は単なる白い液体ではなく、多くの成分が含まれています。主な成分としては以下のものがあります。

  • 水分(約87%)
  • 脂肪(約3〜4%)
  • タンパク質(約3〜4%)
  • 乳糖(約4〜5%)
  • ミネラル・ビタミン(約1%)

これらの成分の中でも、牛乳が白く見える理由に深く関係しているのは「脂肪」と「タンパク質」です。

光の散乱が白さの正体

牛乳が白く見えるのは、「光の散乱」という現象が関係しています。

私たちが何かを「白い」と認識するのは、その物質が光をまんべんなく散乱させるためです。牛乳の中には微細な脂肪球(ミルクファットグロブール)やタンパク質の粒子(特にカゼインミセル)がたくさん含まれています。これらの粒子が光を散乱させることで、牛乳は白く見えるのです。

光の散乱とは?

光は物質に当たると、吸収・反射・透過・散乱のいずれかの作用を受けます。水のように透過性の高い物質は、ほとんどの光を通すため透明に見えます。しかし、牛乳のように小さな粒子がたくさん含まれている場合、光が粒子に当たって四方八方に散らばります。この「散乱」が起こることで、私たちの目には白く映るのです。

なぜ白色なのか?

光はさまざまな色の波長を持っています。青、緑、赤など、それぞれの色が混ざることで白色に見えます。牛乳の中の脂肪やタンパク質は、特定の色だけを反射するのではなく、すべての色をバランスよく散乱させるため、白く見えるのです。

低脂肪乳や無脂肪乳はなぜ白さが薄れるのか?

低脂肪乳や無脂肪乳は、普通の牛乳よりもやや白さが薄れ、やや透明がかった色に見えることがあります。これは、牛乳の白さを作り出している要因の一つである「脂肪」が減るためです。

無脂肪乳の場合、脂肪の光散乱がほぼなくなり、カゼインミセルによる散乱が主体になります。そのため、普通の牛乳と比べると、やや青みがかった白色に見えることがあるのです。

牛乳が黄色っぽく見えることがあるのはなぜ?

牛乳が白ではなく、やや黄色みがかって見えることもあります。これは、牛の食べている餌に含まれる「カロテン」という成分が影響しています。

カロテンは、にんじんやカボチャなどに含まれる黄色やオレンジ色の色素で、牛の体内に取り込まれると牛乳にも少し影響を与えます。特に、牧草をたくさん食べる放牧牛の牛乳ではカロテンの影響を受けやすく、やや黄色がかった牛乳になることがあります。一方、穀物主体の餌を食べている牛の牛乳は、より白に近い色になる傾向があります。

牛乳の白さは新鮮さの証?

牛乳の白さは、その品質にも関係しています。鮮度の良い牛乳は光をしっかり散乱させるため、より白く見えます。しかし、時間が経つと脂肪が分離したり、タンパク質が変化したりすることで、白さが少し変化することがあります。

また、殺菌方法によっても見た目に変化が出ることがあります。低温殺菌(LTLT)牛乳やノンホモ牛乳(脂肪球を均一化していない牛乳)は、やや黄色っぽく見えることがあります。これは、脂肪球がそのまま残っているため、光の散乱が均一ではなくなるためです。

まとめ

牛乳が白く見える理由は、「光の散乱」が関係しています。牛乳の中に含まれる微細な脂肪球やタンパク質が光を四方八方に散らし、結果的に私たちの目には白く映るのです。

また、低脂肪乳や無脂肪乳は脂肪が減ることで白さがやや薄れたり、牛の餌によって黄色みがかった牛乳になったりすることもあります。牛乳の白さには、さまざまな要素が関係しているのです。

牛乳の白さに秘められた科学を知ることで、より牛乳の魅力を感じてもらえたのではないでしょうか?次に牛乳を飲むときは、その白さの秘密を思い出しながら、一杯の牛乳を楽しんでみてください!

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milk guide
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年間1000Lの牛乳を消費している牛乳大好き家族の主。牛乳好きを増やす、牛乳嫌いを減らす、牛乳の有用性を広く伝える事を目的として活動中。
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